「硬いものを噛めば歯ならびが良くなる」は半分正解。半分間違い。

——本当に育つのは“噛み方”と“体の使い方”。

 

こんにちは☺️

小児矯正専門のKonohaこどもの歯ならびクリニック学研都市です。

 

SNSや育児記事で
「硬いものを食べれば顎が育つ」
「噛めば歯ならびが良くなる」
といった情報を読んだことはありますか?

それをそのまま受け取ってしまうと後から後悔してしまうことになるかもしれません。

 

結論から言うと——

✔︎ 硬いものを噛むことは確かに大事

でも、

✔︎ それだけでは顎も歯ならびも育たない

 

むしろ、条件がそろっていなければ
「ただ噛んでいるだけの癖」になり、逆効果になることすらあります。

では、何の条件が必要なのでしょうか。

 

その条件の前に

噛む動作は単独の行為ではないということ

ということを念頭に置いておいてください。

 

噛む動きは、以下の複数の要素とセットで成り立ちます👇

 

 

 

🔍 ① 噛む前に“鼻呼吸”ができているか

口呼吸のまま硬いものを噛むと、
顎は下方向に動き、首と舌骨周りの筋肉が過緊張します。

その結果・・
✔ 顎が後退
✔ 頭部前方姿勢(スマホ首姿勢)
✔ 舌が下に落ちる

噛んでいるのに、歯列の成長方向が逆になることがあります。

⚠️噛む=顎が育つ、ではなく
⭕️噛む+鼻呼吸=顎が前へ育つ
です。

 

 

🔍 ② 舌の位置が正しくセットされているか

噛む力よりも重要なのが舌の静止位置(舌位)。

舌が上顎につかないまま硬いものを噛むと——

🚫 奥歯だけで噛む
🚫 噛むたびに顎が後退
🚫 咬筋(横の筋肉)だけが発達 → 顔が四角くなる

つまり、筋肉が偏って育つという現象が起こります。

理想は👇

⭐ 舌=上顎
⭐ 下顎=前方方向
⭐ 顔全体=柔らかいトライアングル活性

これが、歯列弓(歯が並ぶアーチ)を広げる条件です。

 

🔍 ③ 前歯で噛めているか(歯の順序の法則)

顎の成長は、
奥歯ではなく前歯から始まるという事実ですが
あまり知られていません。

理想の順序👇

1️⃣ 前歯で“噛み切る”
2️⃣ 舌と頬で“食塊形成”
3️⃣ 奥歯で“すりつぶす”

この一連の動作ができて初めて、
顎全体の成長バランスが整うのです。

今の子どもに多いのは👇

🚫 最初から奥歯でかむ
🚫 前歯を使えない
🚫 噛み切る動作がない

これは、
「顎を育てる動作」ではなく「噛む真似」
になってしまします。

 

🔍 ④ 姿勢が崩れたまま噛んでいないか

姿勢と噛む力は神経学的にリンクしています。

✔ 頭が前に落ちる
✔ 骨盤が後傾する
✔ 食卓の高さが合わない

こうなってしまうと、顎の後退と舌の低位につながります。

 

 

つまり、

⭐ 正しく座る
⭐ 足が床につく
⭐ 肘が安定する

この3つの環境が整っていなければ、
硬いものを噛んでも成長方向は間違ったままになってしまいます。

 

 

硬いものが噛めるのに歯ならびが育たないのは子の顎や歯列を見ると——

▶ 顎が狭い
▶ 舌が下がっている
▶ 噛む時間が短い
▶ 噛んでいるのに奥歯しか使えていない

というケースは非常に多いです。

 

本当に顎が育つには、
食材の性質 × 噛む順序 × 舌の使い方 × 体の使い方
が伴っている必要があります。

そのステップを紹介いたします

(個人の成長段階によりますので

お子様には何が足りていないのか注意してみてくださいね)

 

 

🥕 STEP1:「かじる練習」ができる食材を選ぶ

子どもの顎の成長は、
前歯で噛み切るところから始まります。

前歯が使える食材が条件。

▼おすすめ
• にんじんスティック(軽く茹でる)
• リンゴのスティック
• きゅうり(やや太め)
• するめ(薄め)
• セロリ

▼注意
❌ すぐ折れるもの(クラッカー・スナック菓子)
→ 噛んだことにならない。砕けてるだけ。

目的
👉 前歯→舌→奥歯の動きの“運動経路”を学習すること。

 

🍠 STEP2:「潰す時間が必要な食材」へ進む

次の段階では、
噛む回数を自然に増やす工夫が必要です。

▼おすすめ
• さつまいも(やや固め)
• 薄く切った干し芋
• 雑穀ご飯
• 全粒パン
• おにぎり(もち麦入り)

これらは噛むと水分が出にくく、
舌と頬を使って食塊形成(まとめる動作)が必要になります。

ポイント👇
▶ 口の中で迷子になる食材ほど、発達に良い。
(=舌を使う必要がある)

 

🍖 STEP3:「顎を左右に動かす練習」ができる食材

ここが多くの子が抜けているポイント。
顎は上下だけでなく“左右+回旋”できて発達します。

▼おすすめ
• 肉(ステーキ薄切り・ローストビーフ)
• ごぼう
• イカ
• するめ(厚め)
• 大根の固め煮

これらは、
奥歯ですり潰し運動(グラインディング)が必要。

▶ 上下運動しかできない子はここで止まります。

目標👇
👉 顎が数字の「∞(横倒し)」を描く動き。

 

🍱 STEP4:「噛む→飲み込む→呼吸→噛む」を意識させる食材

これは食材というより食事設計。

顎の成長には
リズムと余白(間)が必要です。

 

おすすめメニュー

食材 意味
ご飯(白 or 雑穀) 噛むリズムを作る土台
野菜スティック 前歯を使う刺激
繊維質のおかず(肉/ごぼう) グラインド刺激
汁物(噛める具入り) 飲み込みの練習

 

 

 

ここで重要なのは👇

✔ 「噛んだ回数」より「考えて噛む時間」

噛むことは脳の運動でもあるからです。

 

🔥おまけ

噛むときは「ノルアドレナリン」が出る姿勢がおすすめ。

簡単に言えば👇

✔ 足が床につき

✔ 背中がまっすぐ

✔ 目線が水平

この姿勢ができると
脳幹→青斑核→ノルアドレナリン活性化 → 顎の前方誘導
へつながります。

ご飯中の姿勢はただの“マナー”ではありません。

👉 顎の成長方向を決めるスイッチです。

 

 

 

✔ 「正しい身体条件で噛むことが大事」ということ

硬い食材はきっかけにすぎず、

歯並びをよくするために顎骨を発育させるには👇
• 呼吸
• 舌の位置
• 姿勢
• 噛む順序
• 神経の反応
• 成長方向の精度

これらがそろったとき✨

噛むことは、
運動でもあり、発達のプロセス。

環境 × 方法 × タイミングが決定的な差となります☺️

 

🆖 硬いものが食べられる=顎が育っているではない
🆗 適切な食材 × 正しい動き × 姿勢 ×リズム=顎が育つ

成長は食事の中で繰り返される“小さな学習”。

 

今日のその一口が、
子どもの未来の横顔と呼吸と歯ならびをつくります。

 

 

 

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